ドクターコラム VOL.34
ドクターコラム
「新年明けましておめでとうございます」
新年の挨拶が遅れました。
家族の年賀状に添える歌を今年は次の和歌にしました。
「新しき年の初めの初春(はつはる)の今日降る雪のいやしけ吉事(よごと)」
万葉集、巻20・4516 大伴家持
新しい年の初めに立春がかさなった今日降る雪のようにますます重なれ、良いことよ)
NHK 日めくり万葉集の俵万智さんの現代語訳を引用させていただきました。
またその解説によると、普通の元旦と違い、この初春は19年に一度しか巡ってこない歳旦立春(さいたんりっしゅん)(暦日の「元日」と24節気の「立春」とが同じ)で、めでたさも三倍になっています(雪も瑞兆を表す)。
さらに家持がやや左遷気味の任地で正月に詠んだ歌だそうです。
それを踏まえて俵さんは次のように書いておられます。
「いやしけよごと」と口に出してしまう。見て言葉で写す一般的な歌の詠み方ではなく、まず言葉にして事実を引き寄せる、そういう気持ちも多分にあったのではないかと思います。」
この歌を万葉集の選者でもあった家持は4500あまり歌の最後においています。
皆様に今年は良いことが重なることを心からお祈りいたします。
今年の目標の1つはアンチエイジングの診療に取り組むことです。
その診療の難しさは内容の玉石混交にあります。その壁を乗り越える方向性は低カロリー食(calorie restriction)の科学と実践と考えています。
抱負を語ることで‘事実を引き寄せたい’という思いです。