1型糖尿病のミニ糖尿病教室第2回
ドクターコラム
1型糖尿病のインスリン治療とカーボカウント応用編 その1
1型糖尿病のミニ糖尿病教室第2回です。MDI(強化インスリン療法)やCSII(インスリン持続皮下注入療法)においては食前の超速効型インスリン量(ボーラス量)を適切に調節すること大切です。そのための必須のツールがこれです。しかし患者さんによって習熟度に差がある事も事実です。一から始めましょう。
カーボカウント応用編とは、食前血糖値とこれから食べる食事の炭水化物量(カーボハイドレイト略してカーボ量)から、血糖値を目標範囲に保つために、食事時のボーラスインスリン量を調節することです。
第1ステップは炭水化物量の見積もりです。これには黒田暁生先(徳島大学糖尿病・臨床開発センター )が考案提唱された簡易式を使うのが便利です。
まず主食のカーボ量です。ご飯の場合は重量(g)の40%がカーボ量(g)、もち・パンの場合は重量の50%、またゆで麺・いも類では重量の20%をカーボ量として計算します。
ご飯100g食べるときのカーボ量は40gになります。
副食ですがどのような献立でも副食のカーボ量は大体一定で20gと計算します。(副食に果物含む)
簡易式を利用してもご飯などはやはり秤で測る必要がありますよ。
副食(おかず)のカーボ量を計算に入れるのを忘れる方が多いので注意しましょう
さらに一つ一つの食材のカーボ量を見積もることが望まれますが、それについてはいい書物がいくつか出ていますので是非ご覧いただきたいと思います(例えば、佐野喜子著「カーボカウントナビ」エックスナレッジ社など)。