ドクターコラム VOL.31
ドクターコラム
「一粒で二度おいしい」
これはグリコのキャラメルのキャッチコピーです。
このコピーをお薬に使うのは不謹慎といわれそうですが、それが当てはまるお薬が増えてきました。
配合剤といわれ何種類かのお薬を一錠にしたものです。
現在、日本で発売されている代表的なものは降圧剤です。血圧を下げる仕組みが違う薬の二種類を
一錠にしたものです。このことで薬の効きをよくするとともにコンプライアンスの向上を図ることを目的
としています。
コンプライアンスは医療の分野ではどれだけお薬が用法通りに飲めて
いるかをいいます。
飲み忘れが多いとコンプライアンスが悪いということになります。
昔、長くこの用例に親しんでいた私は企業では法令遵守ということを意味
すると知り新鮮な感じがしたの覚えています。
配合剤はもともと予防医学の観点から提唱されたものです。
2003年にWaldとLawさんがPolypillという理論上の薬を考えました。Polypill はpoly(ポリ=多くの)と
pill(ピル=錠剤)から作られた造語です。
心筋梗塞などの心臓病や脳卒中のリスクを高めるものを危険因子といいます。
高血圧、糖尿病、‘悪玉コレステロ-ル’が高いこと、などです。そしてこれらを管理する有効なお薬が古く
から使われています。それは心臓病などが起こらないようにするためです。
そこで彼らは血圧を下げる薬三種類、アスピリンとビタミン剤である葉酸を一錠にしたものを
polypillと名付けました。それにより心臓病や脳卒中がどれほど予防できるかを解析しました。
55歳以上の心血管系危険因子をかかえる患者全員に服用させると、理論的には虚血性心疾患と
脳卒中をそれぞれ88%と80%予防し、虚血性心疾患と脳卒中も発症しない期間を11年延長させた
ということです。
夢のようなお薬ですが、薬さえ飲んでいれば病気にかかりにくくなるので食事療法などの養生がおろそか
になるかもしれませんね。
7月に入り橋弁慶町の町内でも祇園祭の準備が始まりました。
当院にもビニール袋に詰める粽(ちまき)が届きました。一軒のノルマが100本ありスタッフで手分けして
袋詰めにしました。宵宵山から宵山まで町家などで配ります。
10日には町家で弁慶の力縄(ちからなわ)を縫います。弁慶像の手足にまかれるもので心身壮健の願い
が込められているそうです。
14日の宵宵山から17日の巡行まで医院はお休みをいただきます。