ドクターコラム VOL.32
ドクターコラム
「サステナブルな祇園祭」
地球環境問題のキーワードのひとつがサステナブルです。
持続可能(サステナブル)な地球環境を実現することがいわゆる‘エコ’の目標です。
18日の‘足洗’(打ち上げの懇親会のこと)で山鉾町の主要な行事が終わりました。
出来るだけ町内の方と同じようにお手伝いさせていただきました。
振り返ってみて祇園祭は既にサステナブルであると実感しました。
最初の写真は橋弁慶山の山建の途中のものです。 弁慶の右手首に力縄を縫っているところです。
一本の縄から形を作るのですが、慣れた人が周りの人に教えているところです。
このような継承はいろいろなところで見られます。
一連の準備や宵宵山から巡行までのイベント の数々の光景の中で気づくことは、家の当主とともに長男さんや次男さんの姿が目につくことです。
今年もある家の次男さんが初めてデビューされました。
やがてはそれらの方が中心になるであることは彼らの醸し出す自然な意気込みからうかがわれました。
橋弁慶山が今年一番注目されたのは
胴懸(山の左右のお飾り)を復元新調したことです。
円山応挙の原画と伝えられる 「加茂祭祭行列図」の左面が新調されました (2番目の写真は町家に飾られ
た新調品)。
二年かかったと聞いていますが財政面を含めその労力のほどは私など想像もつきません。
継承のまさに王道です。
3番目の写真はスタッフとともに粽(ちまき)などの販売を手伝ったときのものです。
左から看護師で糖尿病療養指導士の岩本、管理栄養士の桑原そして私です。
ニューカマーが楽しく祭りの参加者になれることもその継続に必要なのかもしれません。
足洗には町の揃いの浴衣を着ていくことになっています。
今年が初参加であった私はこのことを知らず‘クールビズ’風の格好で行き一人浮き上がってしまいました。町の長老
から新参者までが揃いの浴衣でお膳を前に会したシーンは印象的でした。
決まり事(形式)があることも伝統の力のひとつと思いました。