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エクササイズとニート No.3

ドクターコラム

「エクササイズとニート」の話、今回は「ニート」についてです。

少し小太りの人、少し血圧の高い人や糖尿病の方に運動の効果を説明し運動をお薦めすると
よく次のように言われます。
「先生、私は炊事、掃除や買い物などで一日中体を動かしています。それではだめですか?」
それに答えるのに参考になる考えが今日ご紹介するニートです。
非運動性熱産生 : ニート(NEAT:Non-exercise activity thermogenesis)
意図しない体動のことで、姿勢(座位、立位、臥位など)と体を動かすこと(ぶらぶら歩き)
によるエネルギー消費のこと
立っていたりぶらぶら歩くだけで結構エネルギー消費ができるといううれしい話です。

レビィンというアメリカの研究者が次のようの成績を発表しました。
彼らは太っている人とやせている人の二つのグループに分け、どのような姿勢をとっているか、あるいは
動いているか、さらにそれぞれにどれくらいの時間を使っているかを10日間詳細に測定しました。
それにより太っている人とやせている人のニートによるエネルギー消費の違いを 算出しました。
太っている人は、やせている人に比べて立っている・動いている時間が153分少なく、一方座っている時間が170分多かったという結果が出ました。
その差はニートとして1日352kcalでした。
それが肥満の原因の一つであるといっています。

ここからおいしい話です。
太っている人とやせている人のニートによるエネルギー消費の差は一日352kcalでしたが、太って
いる人がその分だけぶらぶら歩きなどを増やしたとしたら1年間でどれくらいやせられると思いますか?

計算は省きますが、1年間でおよそ15kg減量できます。
ニートを増やすことによりエネルギー消費を増やすことが減量に効果的かわかると思います。

3回に分けて運動療法について話してきましたが、まとめると次のようになるでしょか?
「エクササイズが足りない週はニートで補いましょう」

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