低血糖と血糖値を知る方法 No.1 続き
ドクターコラム
低血糖と血糖値を知る方法 No.1 ~続き
ではどうして低血糖が起きるのでしょうか?血糖値に影響する要因を考えればわかります。次の3つです。
1)糖尿病の飲み薬とインスリン注射。
2)食事の量、内容と時間。
3)仕事と運動の強さ
治療とは、これらのバランスをとり、血糖をある目標内に維持することです。これらのバランスが一方に
崩れると低血糖になります(逆に振れると高血糖ですね)。
例えば、仕事が忙しく昼食を食べそこなったり、いつもの量が食べられなかったりすると低血糖につながり
ます。つい楽しくて散歩の量が増えたりしても同様です。このようなことはいつでも起こりえますね。
従来私たちは、自律神経症状を代表的な症状として皆様に指導していた傾向があります。それらは
最初に自覚される症状と考えられ、低血糖に気づくのに役立つと考えていたからです。
低血糖には早く気づく必要があるので警告症状とも言われていました。
言い換えますと、低血糖の中枢神経症状は、それらの症状に比べ血糖がより下がったときに出現すると
考えられていました。しかし、現在では前者も、血糖が少し下がったレベルでも出現することがわかり
ました。
アメリカのCox達は患者様に低血糖を自覚するのに役立つと普段思っている症状について質問しました。
上位にあげられた症状の半数近くが、なかなか集中できない、話がうまくできないなどの中枢神経症状で
した。確かに自分もそうだと思われた方があるかもしれません。
このことはこれらの症状に注意を払うことが低血糖に対する感受性を高めることに役立つことを意味
します。
このことは特に低血糖ににぶくなっておられる方(無自覚性低血糖といいます。難し言い方ですね?)にあてはまります。