低血糖と血糖値を知る方法 No.6
ドクターコラム
「血糖が下がりすぎたらどうすればよいのですか?」
低血糖になった時にどうすればよいかという実践的な話を最後にしたいと思います。
これについてもシンプルに考えることが大切と思います。
15という数字を覚えてください。皆さんは低血糖に診断についてはもう大丈夫ですね?
低血糖の症状を思い出してください。低血糖に気付くのにじゃまになる状況を考えましょう。
血糖を測定できるなら測ってください。血糖70mg以下が低血糖です。
まず炭水化物15グラムをとってください。表に炭水化物15グラムを含むジュースなどの例を示しました。
※一般の缶コーヒー(190ml)は、100ml中に炭水化物が約6~7g含まれますが、低血糖時の補食として必要な炭水化物量(15~20g)を補うには少し足りません。
1缶200ml以上の製品を選ぶか、普通のコーヒーよりもカフェオレなどミルクが多いものを選ぶようにしましょう。 もちろん微糖のものも使えません。
大切なのはあれでもよいこれでもよいと考えないことです。自分が低血糖の時はこれを使うと決めて下さい。
缶コーヒー一缶にすると決めたら自宅の決まった場所に常備しましょう。外出の時は必ず携帯しましょう(缶コーヒーは持ち運びにくいですが、多くの会社がたくさんの商品を出しています。
例えば‘マイコーヒー’ を決める前に成分表示で炭水化物量を確認して下さい。)
炭水化物の中でブドウ糖15グラムが速やかに血糖をあげるのでもっとも適しています。
しかしブドウ糖は必ずしも手に入りやすいわけではありません。診療所や調剤薬局では無料で手に入りますので相談して下さい。
αGIという、食事に含まれる炭水化物がブドウ糖に消化されるのを抑え、食後の血糖上昇をゆるやかにする薬があります。
このグループのお薬を飲んでおられる方は必ずブドウ糖を使って下さい。理由は分かりますね?
最初に低血糖の対策はシンプルがいいと言いましたが、αGIの登場で(ずいぶん前ですが)低血糖の治療が二本立て(砂糖などで良い人とブドウ糖が必要な人)になったので注意して下さい。
さて15という数字です。
治療をして15分後に低血糖から回復しているかどうか確認して下さい。そうでなかったら同じことを繰り返して下さい。(15グラムの炭水化物をとって15分後に確認)
そして普段通りの食事をとって下さい。
この機会に自分の低血糖対策をふりかえっていただきたいと思います。