第15回日本病態栄養学会年次学術集会に参加してきました。
栄養士・サプリメントアドバイザーコラム
1月14(土)15日(日)国立京都国際会館にて、第15回日本病態栄養学会年次学術集会に参加してきました。
印象に残ったのは、やはり糖尿病の食事療法で話題になっているカーボカウウント関連のワークショップです。会場いっぱいに立ち見のでる盛況ぶりで、関心の高さが一目瞭然でした。
このワークショップ参加の大きな収穫は、食品交換表とカーボカウントの明確な位置づけを再確認できたことです。
糖尿病の食事療法にカーボカウントを導入する場合は、まず糖尿病食の基本となる食品交換表に基づいた食事療法を実践し、患者さんの血糖コントロールの状態をみて、血糖の改善がみられない場合に、炭水化物量に重点を置いたカーボカウントを導入してゆくということです。
つまり、適正なエネルギーと栄養バランスの整った食事をして体重及び脂質管理をしていくのが「食品交換表」、血糖に大きく影響を与える炭水化物量で血糖管理をしていくのが「カーボカウント」ととらえ、食品交換表とカーボカウントの良さをうまく活用していくことが大切だということです。
そうすることで、食品交換表との関係性が曖昧であるために指導がスムーズに進まずない、導入のタイミングが悪いために患者さんが正確に食事療法を理解できない、などの理由で結果的に治療効果を下げてしまう欠点が是正されます。また栄養バランスが崩れる心配も少なくなります。
またカーボカウントの効果的な導入方法として、初回指導で表1、表2、表4の炭水化物を多く含む食品の説明、2回目の指導で表3、表5、表6の炭水化物をほとんど含まない食品の説明と、2回に分けるというお話がありました。
この導入方法は食品交換表とカーボカウントを切り離すことなく指導できます。また患者さんが炭水化物の種類や量を比較的無理なく理解でき、その後の指導もスムーズに運び効果的です。これはすでに当院では導入している内容で、現在カーボカウントの概念を盛り込んだミニテキストブックを作成中です。
実践につながる内容に納得できたのはもちろんですが、先生方の糖尿病治療への熱い思いが伝わり背筋が伸びる思いでした。